他者の意見に影響されるか否か
もう12月ですね。まったく…早いですね。
アートde対話では基本的に対話セッションで使用する絵画は、ネタバレになってしまうので公開をせずに、そのセッションで飛び交う発言などをアニメーション化したりしてInstagramなどで発信してきました。
今回は実際に使用した絵画を載せてみます
しかし今回は珍しく、特例で絵画も載せてみようと思います。
対話セッションの醍醐味は、自分が最初にその絵をパッと見た時に抱いた第一印象が、他の人が抱いた第一印象を聞く内に、見え方や感じ方の違いに自然と気付き始める所にあります。
ただしそれは、自分もしくは他の参加者さんの意見が正しいとか間違っているかとの判断材料にはなりませんし、単純に「異なる見え方、感じ方がある」ということに気付けば、現時点での私の求めている状態としては💯100点なんです。
多数派に流される?自分の意見に自信がなくなってくる?
下記の絵画を見て
- 女の人達が津波の中、船に助けを求めている
- 女の人達が縛られている男性を助けにきている
- 女の人達が、船を襲って沈めようとしている
ざっくり3種類の意見が出ました。
対話をしている内に見え方が変わってくる
他の人の意見を聞き入れて、なるほどと納得し、自分がもともと第一印象として抱いたものが、徐々に変化してくることはOKなのです。この対話セッションの醍醐味でもあります。しかしそこに、10人参加者がいて半数以上が同じ意見に傾き始めた時に、それと同じ意見を持っていないことで、段々そわそわしてくる感覚…自分だけ変か?そう見えるのはおかしいか?違うのか?間違いなのか?
同調圧 ですね。もちろん多数派の人達が、圧力をかけている訳ではありません。自然な多数派と少数派に分かれる時に発生する空気です。
そこで多数派の意見に本当に同意できてきたから、自分の考えを改めるのか…それとも自分の見え方に自信がなくなってきてしまったのか…いろんな心理が渦巻きます。
正解はありません
絵画には基本的に作者が意図して描くテーマがありますから、そういう意味ではそれぞれの絵画の解説に当たる背景情報がある訳です。しかし、アート鑑賞型対話はその背景情報を言い当てることが正解ではないし、目的ではありません。
解説としては3番の「女の人達(海の怪物セイレーンたち)が、船を襲って沈めようとしている」が該当するのですが、対話を続ける中で参加者さんの大半がその3番意見に寄っていく中、親子参加枠のお子さんは、第一印象では下記の①に見えていて、対話セッション終了後には②という見え方の結論に落ち着きました。
- 女の人達が津波の中、船に助けを求めている
- 女の人達が縛られている男性を助けにきている
大人たちの意見もずっと一緒に聞いているにもかかわらず、そこに流されることなく、自分の見え方をしっかりと発表できる姿勢が素晴らしいなと感じました。
これはギリシャ神話に出てくる、本来は恐ろしく醜い海の怪物であるはずのセイレーンを、美しい人間の女性や人魚的な姿で描いているという、作者の意図もあるので、そのお子さんが感じたように、何か…誰かを救う、助けるという美しい、尊い印象に繋がって見えるのも頷けます。
実際に他の大人の参加者さんも、襲っているのならいかにも怖い気持ち悪い風貌をしていない所に違和感を覚える…といった意見を出してくださいました。
人の見た目と行動や内面の印象
ここも面白かったですね。やはりいいイメージ…綺麗、可愛い、美しい…
悪いイメージ…怖い、汚い、醜い、恐ろしい…そういう発想が私たちの視覚的には沁みついているものだなぁ、と私自身もファシリテーターをしながら改めて考えさせられました。
一度、自分の頭の中を引っ掻き回し体験してみませんか?
オンラインでは基本的に数名お集まりいただければ、いつでも体験セッションを受けていただけます。下記ウェブサイトからお気軽にお申し込みお問い合わせしてください。レギュラーコース以外の単発体験には、曜日や時間帯の指定は設けておりませんので、ご希望の日時をご遠慮なく申し付けてくださいね♪ 日常のありとあらゆる物事に対する姿勢も、一度の体験だけでもだいぶ刺激を受けられると思います♪是非味わってみてください✨